キャッシング枠による借入は未成年も利用できる?場合によっては可能
通常、未成年が融資を受けることはかなり難しいと言えます。なぜかというと、法律によって未成年が契約をする際には親権者などの同意が必要であり、同意を得ずに契約をした場合は取り消せることが決められているからです。
そのため、未成年を融資の対象としている商品はとても少なく、消費者金融であれば一部の学生ローンを取り扱う業者や中小規模の消費者金融が対応しているのが現状です。
では、未成年でも持つことが可能なクレジットカードの場合、未成年がキャッシング機能を利用することは可能なのでしょうか。詳しく確認しましょう。
クレジットカード自体は18歳から持つことも可能!
通常、未成年が借入をすることはかなり難しいと言えます。では、借入ではなく、クレジットカードを持つこと自体はどうなのでしょうか。
まずは、未成年でもクレジットカードが持てるのか、確認しましょう。
親権者の許可があれば18歳でもカードを持つことが可能!
では、融資ではなく商品の代金を立て替えてもらえるクレジットカードの場合、未成年が利用できるのかというと、多くの場合利用可能です。
カードによっては対象年齢を20歳以上としていたり、中にはもっと高い年齢の人しか利用できないようなカードがあったりしますが、18歳以上を対象としているカードは多く存在しています。
逆に、若い世代を対象としたクレジットカードもあるので、若いから利用できない、年齢が高ければどのカードでも持てるというものではなく、それぞれのカードごとに定められている年齢制限を確認して、当てはまっているカードを選べば問題なく持つことができるのです。
クレジットカードの年齢制限を見てみよう
クレジットカードは数多くありますが、いくつかのカードを例に挙げて年齢に関する条件を見てみましょう。
クレジットカードの種類 | 年齢などに関する条件 |
---|---|
セディナカードファースト | 高校生を除いた18歳から25歳まで 電話連絡が可能 |
セディナカード | 高校生を除いた18歳以上 電話連絡が可能 |
セディナプラチナカード | 満30歳以上 安定継続収入がある 電話連絡が可能 |
三井住友カード | 満18歳以上(高校生を除く) 未成年は親権者の同意が必要 |
三井住友カードエグゼクティブ | 満20歳以上 安定収入がある |
このように、カードによって利用可能な年齢が定められており、高校生を除いて18歳以上であれば持てるカードもあることがわかります。
未成年がクレジットカードに申し込むためには親権者の同意が必要!
クレジットカードは、未成年でも持てる可能性があります。ですが、高校生を除いて18歳以上であれば無条件で持てるわけではありません。
先ほどもお話したように、未成年が親権者の同意なしに結んだ契約は取り消すことができるため、未成年がクレジットカードの申し込みをする場合は親権者の同意が求められます。
三井住友カードの場合、はっきりと未成年は親権者の同意が必要であると案内していますが、これはどこで申し込みをする場合も同様です。
親権者の同意があれば、契約は成立して取り消すことができません。そのため、カードの発行元は、親権者の同意を求めることできちんと契約が成立する状態にするのです。
未成年でも発行元が認めていればキャッシングできることも
それでは、未成年でもクレジットカードのキャッシング枠を利用してお金を借りることは可能なのでしょうか。
確認しましょう。
未成年でも借入を認めているカードがある!
持っているクレジットカードにもよりますが、未成年でもキャッシング機能が利用できる場合もあります。
たとえば、三井住友カードのキャッシングシミュレーションを見てみると、キャッシングの申し込み条件は18歳以上であると案内されています。さらに、未成年は親権者の同意を得ていることがキャッシングの申し込みの条件です。
未成年なのにお金が借りられるのは、クレジットカードの発行の際に親権者の同意を得ているからです。カードを持つことを認められているということは、そのカードについている機能を使ってもいいという解釈ができるからなんですね。
ですが、クレジットカードの発行元の会社によっては、キャッシング機能が利用できる年齢を20歳からとしている場合もあります。
そのため、未成年がキャッシング機能を利用できるかどうかは、持っているカードによると言えるのです。
また、キャッシング枠をつける際にも審査があるので、クレジットカードを持つための審査には通っても、キャッシング枠をつける審査には通らない可能性もあります。それも知った上で、キャッシング枠の申請をしてみましょう。
未成年の場合キャッシングの限度額は低め
高額の借入を期待するのではなく、たとえば実習や学業に必要な物の購入、お付き合いなどで必要なお金であれば補えるといった感じで考えておくと、便利に利用することが可能です。
たとえば、三井住友カードでは、キャッシングリボ利用枠について以下のように定めています。
- 学生:5万円まで
- 学生を除く未成年:30万円まで
未成年であっても、学生ではなく就職していたりアルバイトで収入を得ていたりする場合、年収の3分の1までの金額であればキャッシングの申し込みをすることも可能です。
ですが、上限は学生で5万円まで、学生以外でも30万円まで(かつ年収の3分の1まで)と、あまり限度額は高くありません。
未成年でもキャッシング枠がつけられる可能性があるカードをチェック
それでは、未成年でもキャッシング枠がつけられる可能性があるクレジットカードをいくつか見てみましょう。
ライフカードが発行する「学生専用ライフカード」は、以下のようなカードです。
項目 | 内容 |
---|---|
申し込める人 | 日本国内に住んでいる高校生を除く18歳以上 電話連絡可能な人 ※未成年者は親権者の同意が必要 |
カードの総利用枠 | 5万円~30万円 |
内ショッピング利用可能枠 | 5万円~30万円 |
内キャッシング利用可能枠 | 0万円~10万円 |
キャッシングに関しては、利用者の希望を元に審査を行い、決められた範囲内でライフカードが指定した金額となります。
三井住友カードが発行する「三井住友カード デビュープラス」は、以下のようなカードです。
項目 | 内容 |
---|---|
申し込める人 | 高校生を除く満18歳から25歳までの人 ※未成年者は親権者の同意が必要 |
カードの総利用枠 | 10万円~80万円 |
内ショッピング利用可能枠 | 10万円~80万円 |
内キャッシング利用可能枠 | 0万円~50万円 |
このカードは学生向けではないので、キャッシング利用可能枠も最大で50万円までと高めな設定になっています。
ですが、実際に枠がいくらになるのかは審査によって決まることと、先ほどもお話したように三井住友カードでは未成年は30万円までしか借入ができないので、それを超えてキャッシング枠が設定されることはありません。
同じ三井住友カードのデビュープラスには学生向けの「三井住友カード デビュープラス(学生)」もあります。こちらは、以下のようなカードです。
項目 | 内容 |
---|---|
申し込める人 | 高校生を除く満18歳から25歳までの学生 ※未成年者は親権者の同意が必要 |
カードの総利用枠 | 10万円~30万円 |
内ショッピング利用可能枠 | 10万円~30万円 |
内キャッシング利用可能枠 | 0万円~5万円 |
学生向けのカードの場合は、やはりキャッシング枠が最大でも5万円となっていますね。
このように、未成年や成人した学生がキャッシングを希望する場合、あまり高額な借入はできないことがわかります。
返済はきちんと!返せなかった場合はその情報が残るので注意
たとえ未成年であっても、借りたお金を返さなければいけないことは成人の場合と同じです。
借りたお金が返せないとその情報が記録され、キャッシング機能を利用することはもちろん、クレジットカードの借入や更新にまで影響してスムーズにクレジットカードを利用することができなくなります。
では、なぜそのようなことが起こるのか、どのようなことに気をつければいいのか、確認しましょう。
クレジットヒストリーとはお金に関連する記録のこと!
借入をしたり、クレジットカードを利用して商品の代金を立て替えてもらったりなど、お金に関連して何らかの契約を行った記録のことを、クレジットヒストリーといいます。
略してクレヒスと呼ばれることもあるクレジットヒストリーは、個人信用情報機関と呼ばれる所に登録されます。
掲載される情報は、以下のような内容です。
- 契約者に関する情報
- 契約の時期
- 契約内容
- 利用可能枠
- 貸付残高
- 割賦残高
- 返済の状況
これらの情報が登録されていることによって、誰がどのようにクレジットカードを利用しているのかがわかります。
これはクレジットカードに限らず、消費者金融で借入をした場合も、銀行でローンを組んだ場合も、すべて記録が残ります。
それによって、クレジットカードの発行元の会社は、その人の借入状況を知ることができるのです。
返済状況が良ければ信用が高まる!滞納すると悪影響
クレジットヒストリーは、不安に思う必要があるものではありません。
必要なだけカードを利用して、借りたお金や立て替えてもらったお金をきちんと返済することができれば、お金を貸すことにおいて信用がおける人だと思ってもらえるため、新たな借入をする際の審査では有利に働きます。
ですが、返済がきちんとできなかったり、次々と借入をしてばかりだったりすると、お金を返すことができない状況にある人だと思われて悪影響です。その結果、以下のような影響が出ます。
- キャッシング機能が利用できなくなる
- 利用中のクレジットカードが使えなくなる
- 新たにクレジットカードの契約ができない
- 消費者金融などでの借入ができない
- 銀行の商品などにも影響
- 分割払いの契約ができなくなる
利用中のクレジットカードに関してだけではなく、別の所で契約したクレジットカードもそうですし、また消費者金融や銀行からの借入に関しても影響するんですね。信販会社などを通して分割払いの契約をする際にも審査がありますので、そういったこともできなくなります。
クレジットカードの作成やキャッシング枠をつける際には審査がありますし、また消費者金融や銀行なども融資の申し込みを受けると審査を行うルールです。その際にクレジットヒストリーが確認され、審査の参考にされます。その結果、問題があると借入ができないのです。
つまり、借りたお金は返すという基本的なことが守れれば、問題はありません。
借入をする前に返済計画を立てることが大切!
では、どうすれば返済がきちんとできるのかというと、借入をする前に返済のイメージを持っておくことが大切です。
- 返済日はいつか
- 毎回の返済額はどれくらいか
- バイトなどの収入で返済できる金額か
クレジットカードのキャッシング機能を使って借入をしている人が、クレジットカードのショッピング枠でショッピングもしている場合、それも含めて支払額を計算しなければいけません。
それぞれだけを考えるとそれほど高額になっていなくても、両方を合わせると高額に思えることもあるかもしれませんね。
両方の枠を利用する場合は、特に注意してカードを利用しましょう。
キャッシング枠による借入は未成年でも可能な場合がある!
以上のように、未成年も融資の対象とするクレジットカードを持っている場合は、未成年でもキャッシング枠による借入ができる場合があります。
ただし、カードを発行している会社や持っているカードによって取り決めが違うので、注意しましょう。
カードによっては18歳以上であれば持てても、キャッシングは20歳からとしている場合もあります。また、キャッシングができるとしても、それほど高額な借入はできません。
キャッシング機能の利用を考えている未成年は、申し込もうとしているカードが未成年でもキャッシングができるカードかどうかを確認してから申し込むようにしましょう。